長年床の施工に携わっている職人の視点から見ると、フローリング値段は単に木の種類だけでなく、その板の「サイズ」や「貼り方」による施工難易度が大きく反映されていることが分かります。一般的に普及しているフローリングは、幅が十五センチ前後で長さが一メートル八十センチ程度の定尺ものですが、最近人気のある幅広のフローリングや、逆に細い小幅のものは、同じ面積を貼るにしても手間が全く異なります。幅広の板は一枚の値段が高額になりますが、実は施工スピードは早いため、手間賃は抑えられる傾向にあります。逆に、細い板を大量に貼り合わせるデザインは、釘打ちの回数や接着の工程が倍増するため、材料費が安くてもトータルのフローリング値段は高くなることがあります。特に注意が必要なのが、一枚ずつの板がバラバラの長さで届く「乱尺」と呼ばれる無垢材です。これは職人が現場で全体のバランスを見ながら、継ぎ目が重ならないようにパズルのように組み合わせていく必要があり、高いセンスと技術が求められるため、施工費は通常の二割から三割増しになるのが業界の常識です。また、貼り方のデザインも価格を左右する大きな要素です。床を平行に貼っていく「定尺貼り」や「千鳥貼り」は標準的な価格ですが、斜めに貼る「斜め貼り」や、V字型に組み合わせていく「ヘリンボーン貼り」になると、材料の端材が大量に出る上に、カッティングに膨大な時間がかかるため、フローリング値段(特に施工費)は標準の二倍以上に跳ね上がることもあります。さらに、部屋の形状も重要です。四角いシンプルな部屋であれば見積もり通りに進みますが、柱の出っ張りが多い、あるいは曲線がある、階段と複雑に絡むといった現場では、特殊加工費が追加されます。リフォームを検討する際、材料の単価だけを見て「安い」と判断するのは危険です。その材料が自分の部屋にどのような形で、どれほどの手間をかけて貼られるのかを想像してみてください。複雑なデザインを望むのであれば、材料費を一段階落としてでも、腕の良い職人の工賃にしっかりと予算を割くことが、最終的な仕上がりの美しさを担保することに繋がります。フローリング値段とは、素材という「物」の価値と、それを床へと作り替える職人の「技」の価値が合算されたものであるという認識を持つことが、真の適正価格を見極める眼を養うことになるのです。
プロが明かすフローリング値段と施工難易度の意外な関係