床のリフォームを検討する際、多くの人が最初に直面する選択肢が、既存の床の上に新しい板を貼る重ね貼りと、古い床を全て剥がして新調する張り替えのどちらを選ぶかという問題です。この二つの工法は、費用や工期だけでなく、リフォーム後の住まいの性能にも大きく影響します。まず重ね貼り、別名カバー工法は、解体費用や廃材処分費を大幅に抑えられるため、コストパフォーマンスを重視する方に適しています。既存の床を剥がさないため、工事中の騒音や粉塵が少なく、工期も短縮できるのが大きなメリットです。また、床が二重になることで強度が増し、断熱性や防音性が向上するという副次的な効果も期待できます。ただし、注意すべきは床の厚みが変わることです。ドアの開閉に干渉しないか、あるいは段差が生じてつまずきやすくなっていないか、事前の緻密な計算が不可欠となります。最近では厚さ数ミリの極薄フローリングも登場しており、バリアフリーを維持したままの重ね貼りが容易になっています。対して張り替え工法は、床下の健康状態を確認できるという極めて重要な利点があります。古いフローリングを剥がすことで、土台の腐食やシロアリの被害、あるいは配管の老朽化といった、表面からは見えない問題を早期に発見し、適切に処置することが可能です。また、床の高さが変わらないため、住まい全体のバリアフリー設計を損なう心配がありません。床暖房を新たに設置する場合や、根太の補強が必要な場合は、必然的に張り替えを選ぶことになります。費用は重ね貼りよりも高くなりますが、数十年先まで住み続けることを考えれば、根本的な問題を解消できる張り替えの価値は計り知れません。どちらの工法が最適かは、現在の床の劣化具合や予算、そして将来のメンテナンス計画によって決まります。まずはプロの業者に床の状態を診断してもらい、それぞれのメリットとデメリットを天秤にかけながら、自分たちの住まいに最適な再生方法を見極めることが、失敗しないフローリングリフォームの第一歩となります。
フローリングリフォームの重ね貼りと張り替えの違いを徹底解説