築三十年の住宅の多くは、各部屋が壁で仕切られた、いわゆる「細分化された間取り」が一般的です。当時は冷暖房の効率を考え、個室のプライバシーを重視する設計が主流でしたが、現代のライフスタイルでは、家族が緩やかにつながりを感じられる開放的なLDKが求められています。リフォームによって間取りを大胆に変更する手法として最も人気なのは、キッチンを囲んでいた壁を撤去し、リビング、ダイニング、キッチンを一続きの大空間にするスケルトンリフォームです。これにより、視線が家全体の隅々まで通り、実際の平米数以上の広がりを感じることができるようになります。ただし、壁を撤去する際には、それが建物の荷重を支える耐力壁であるかどうかの見極めが不可欠です。構造上どうしても外せない柱や壁がある場合でも、それをあえて意匠としてデザインに取り込んだり、オープンな飾り棚として活用したりすることで、空間のアクセントに変えることができます。また、使わなくなった和室を取り込んでリビングを拡張したり、廊下の一部を部屋に取り込んだりすることで、デッドスペースを有効活用する工夫も有効です。吹き抜けを設けて一階と二階を繋げたり、階段をリビング階段にしたりすることで、上下階のコミュニケーションを促進する設計も築三十年のリフォームではよく見られます。照明計画も開放感を左右する重要な要素です。天井を高く見せるためにダウンライトを採用したり、壁面を照らす間接照明を取り入れたりすることで、夜の空間に奥行きと落ち着きをもたらすことができます。間取りの変更は、単に壁を動かすだけでなく、家族の動線や家事のしやすさを再設計する絶好の機会です。子供が独立して夫婦二人の生活になったのであれば、以前の子供部屋を広いウォークインクローゼットや趣味の部屋に作り替えるなど、今の自分たちに最適なサイズ感の住まいへと再構築することができます。築三十年の歴史ある家をベースにしながらも、現代の開放的な空気感を取り入れることで、まるで最新のデザイナーズ住宅のような心地よい空間を手に入れることが可能になるのです。
築三十年リフォームで間取りを変更し開放感を得る手法